2016年6月に報告した漏斗胸の子、ハート君の、追加と経過報告です。
ハート君は、漏斗胸という、骨が生まれつき変形している状態で、
前回の報告にもあったとおり、「凹んでいる胸骨を引っ張る手術」を実施しました。
上の写真のとおり、糸を胸骨に引っ掛けて、
樹脂で作ったプレートで留めるという手術です。
この状態で、骨を少しでも元の形に戻していこうという算段です。
上の写真は、半年後、経過観察のために撮影したレントゲン写真です。
本人の調子はとても良く、呼吸状態も問題なしで、
レントゲンでは、胸骨が上側、背中側に向かっている状態ではあるものの、
肺が膨らむためのスペースがしっかり確保されているといえます。
上の写真は、仰向けでとったものです。
本来は、心臓が体の中心に来ますが、胸骨の変形のため、わずかに左側
(写真では下側)にずれています。
少し変形はありますが、日常生活を送る上では問題ないレベルです。
ハート君は元気に成長し、今では他の猫さんとなんら変わりない生活を送っています。
元気そうな日々にわたしも癒されています。
漏斗胸は、症例によって重症度がそれぞれ違い、治療が難しい場合もありますが
ハート君のように、治療が奏功する場合も多いので、
もし漏斗胸の子に出会ったら、いちど治療について検討されてみてはいかがでしょうか。
獣医師 緒方
通りすがりですがコメント失礼します。
先月外から我が家に迎えた猫が仔猫を産んでそのうちの1匹が昨日漏斗胸と診断されました。
不安ながらも手術をする方向で話をすすめるつもりでしたが、この記事を読んで不安が希望に変わりました。
兄弟と比べて極端に小さい子ですが一番活発で可愛い子なのでハート君のように元気に成長できるよう私も頑張ろうと思います。
佐藤様、コメントありがとうございました。
猫ちゃんの漏斗胸の手術がうまくいくことをお祈りいたしております。
元気になってくれますように。