昨日、もし大阪が緊急事態宣言で、外出禁止の状態になったときに、診察はどうするか?と考えて、
あくまで予定、個人的な見解として、HPに載せてみました。
すると今日、驚くほど反響があって、
来られる患者様も、電話でも、「HPを見たけど、今どういう状況?」と尋ねられます。

ああこれは、
情報を出すのが遅かったな、
私が思っているよりずっと、現場は動いてるな、と、実感させられ、反省して、
発想の転換をするきっかけになったので、記事を書いておこうと思います。

私は昨日まで、
新型肺炎の状況が日に日に緊迫感を増していく中、
動物病院の診察はどうすればいいのか??と、毎日情報を見ていました。

今は、政府が「緊急事態宣言」を出すかどうか、瀬戸際とのこと。
もし緊急事態宣言が出れば、いや、出なくても、状況がひっ迫してくれば
私が所属している獣医師会から「こうするべき」とか
「こうするのが望ましい」とか、
ある程度指針が出るだろう、と思って、待っていました。

しかし、
現時点で、全くそういう、上からの指示のようなものは出てきません。
お知らせとして回ってくるのは
「今こそ、獣医師としての自覚を強く持ち、社会に貢献するとき」
「知識を持っている者として、動揺することなくことに当たってほしい」
など。

もちろん、仰る通りです。
今こそ、獣医師として社会に貢献したいと強く思っています。
冷静に、パニックになることなく、できることをしたいと思っています。

けど具体的に、何をどうすればいいんですか??

結局自分がどうすればいいのかわからず、迷いながら、ニュース等を見ているうち、
恐らく獣医師会は、政府からの緊急事態宣言を待っているのかな…という印象を持ちました。
宣言が出れば、動ける、という部分もあるんだろうと思います。
でも緊急事態宣言はなかなか出ません。
出すことで、経済とか、いろいろ不都合がでるんだろうね…。私にはよくわかりませんが。

そして昨日、専門者会議による会見の映像をニュースで見て、
実際の感染状態や、医療環境のひっ迫は、もうそれこそ緊急も緊急、
待ったなしの状況なんだな、と実感しました。
それでも緊急事態宣言は出ない。
そして動物病院の診察についても、新しい情報が待たれている。

きっと今は、上からの指示を待っている状況ではないんだ、と、思い至りました。
とにかく、自分にできることを探して、実践しなくてはならない状況なのだと思います。

理由は、
政府や、大きな組織が、何か大きなことを決めるスピードが、
新型肺炎が広まっていくスピードに追い付いていない
からです。

今までにないことを決めるのには、とかく、時間と手間がかかります。
「あれはどうする?」「これはどうする?」と、細かい決めなくてはいけないことが大量に出てきて、
私がいる箕面市は、狂犬病集合接種が延期になりましたが、
それでも、細かい問題がいろいろ出てきて、箕面市獣医師会の先輩方は大変そうです。

それはそれで、致し方ないことで、
けど、さすがに今回ばかりは、新型肺炎の広がり方がすさまじくて、
上からの決定を待っていたら、きっと間に合わない。
結局、一番ウイルス感染の危険にさらされるのは、私たち現場で、
政府の対応が遅い、悪い、と、いろいろ思ってしまいますけど、
(私もニュースなんかを見ていたら、イライラしてしまいますけど)
その、イライラしている時間さえも、もったいない状況になっていて、
感染を予防するために、前向きな情報収集と実践をしていかなければいけないところに来ている、と、思いました。

なので、現時点で、動物病院でやれることとして、
完全予約制の強化や、診察後の消毒の徹底など、いくつか決めました。
私にできることはほんとうに微々たるもので、それがもどかしくもありますが、
これからも、自身が感染しないように気を付けつつ、できることをしていきたいと思っています。

それに、私はあまり詳しくないのですが
緊急事態宣言が出たところで、法的な拘束力は強くない(ほとんどない?)と、聞きました。
結局、いろいろ宣言やお願いが出たとしても
最終的に決めて、やらなければならないのは、私たち現場なんだな、と、
そういうふうに発想を転換していったほうがいいな、と、思いました。

私は昨日まで、無意識に、上からの指示を待っていて、
昨日までは、診察もなんとなく、気を付けてはいるけど、
はっきりとやり方を変えてはいませんでした。
毎日の生活にもそういう、
「なんとなく続けている」「変えろと言われたら変えるけど…」みたいな、
あいまいな習慣が、多くあるように感じます。
その習慣の中に、感染リスクを上げるものがあるかもしれない。
今こそ、習慣に潜むリスクを真剣に考えて、変えていかなければ、と思いました。
前の記事で、ウイルスを拡げないための考え方について、記事を書きましたので
それも合わせて、
皆様の生活、感染予防の上で、何かのヒントになれば幸いです。

また、動物病院のことで、新しい情報や、変更などありましたら
随時報告していきます。よろしくお願いいたします。

緒方

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