本日、緊急事態宣言が出ました。
獣医師会からも、今後の診察についての参考文書が出ました。
……正直、まずは東京から出るんだろうと(勝手に)思い込んでいたので、いきなり大阪も出ることになって、相当テンパりました。
何とか、診察時間の変更や、内外へのアナウンスなどは終えることができて、とりあえず一息ついているところです。

思えば、
緊急事態宣言が出て、外出自粛となった場合、診察はどうなるんだろう、と考え始めて、
どうするかを(予定という形で)HPに掲載したのが、先週の水曜日で、
それから、患者さんの反響もあり、実際に感染対策を始めたのが木曜日のこと。
まだ一週間足らずではありますが、
診察に、感染対策を盛り込んでいくのが、いかに大変か……!
を、思い知った一週間でした。

まず、今まで予約制を敷いていたこともあり、
診察中、待合で待ってもらうのは、診察中の患者様一組のみにできるだろう、と考えていたのですが、
実際には、次の診察の方が来られる時間とかぶってしまうタイミングが多々ありました。
そこで、次の患者様を、私たちが
「診察中なので、個室(病院鳥おたまのいる小さな部屋)か、外でお待ちください」
と、誘導しないといけないのですが、
それが何とも難しいんです……!

難しい理由は、一番は「今までそれをしてこなかったから」と、いうことなんだろうと思います。
今までは、次の患者さんを迎えたら、問診を取ったあとは、
現在診察中の患者さんの、処置や調剤に戻るのが常でした。
そこで「次の患者さんに、待ってもらう場所をお知らせする」という、
今までしてこなかった動作が、たったひとつ入るだけなのに、
それをするのが、いかに難しいことか。

それにしても、何で、そこまで難しいのか、
それはきっと「それをしなくても、診察は今までどおりに回るから」なのだと思います。
「それをしなければ、診察は回らなくなる」という内容のことは、必ず、嫌でもやることになるけれど、
でも、そうじゃない。それをしなくても、診察は回る。
そこに、意識を向けて、なおかつ実行し続けることの難しさ。

それをしなくても、問題なく毎日は過ごせる、
そういうことを、強く意識して、やらなくてはならない。
……それが、今回の新型コロナウイルス感染症対策の、一番難しいところなのだと、痛感しました。

ここ数日のニュースでも取り上げられていましたが、
「人との距離を取る」
「人との会話を極力少なくする」
というのも、とても難しい、と実感しました。
患者さんに来てもらったら、飼い主さんに、動物の様子を確認したいし、
調子がいいのなら、飼い主さんと一緒に喜びたいし、
そういう思いがつい出て、必要以上に喋ってしまうのですけど、
今は、そういうときじゃないんですよね…。

自分がスーパーとかホームセンターとかに行ったときも、
「会計に並ぶときに、距離を取るべき」というのが、
つい、今までの習慣で、いつもどおりに並んでしまって、
終わってから「ああーしまった」と気づく、というパターンが多いです。
厳密にやるなら、そういう、コンシェルジュ的な、
客の動線を管理するスタッフが必要なんでしょうけど、
そんなスタッフ置いてる余裕なんてないのは、私も似たような状況だからよくわかります。。

そういう、
「今までの行動を変える」ということ、
それを、今回の新型コロナウイルス感染対策では、特に求められていて、
そこが、実際やるとなると、強く意識しなければいけないので
思った以上に難しいんだと思います。

緊急事態宣言という事態の大きさを受け止め、
うちのような小さな動物病院からも、意思表示をしたい、と思っていて、
感染を抑え込むために、できるだけのことをする、というメッセージも込めて、
診察時間や診察方法の変更など、これからも、
やれることを探していきたいと思っています。
そして、それと同時に、
今までと同様、動物たちの健康が維持できるように、最大限努力していきたいと考えています。

皆様も大変な時期だと思いますが、
体調にはくれぐれもお気を付けください。
そして、ペットさんのことで何か心配があれば、いつでもご連絡いただければと思います。

獣医師 緒方

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